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株式会社Braveridge

メーカーIT・通信 スクーパー取材記事あり
福岡県福岡市西区周船寺3-27-2

2019年度

国内から海外に負けない設計・開発・生産を行う企業の話

株式会社Braveridgeは、日本で無線通信機器の設計・開発・製造を行っている。同社のように国内で全工程を行っている企業は珍しい。その始まりと言えるドラマ、そして世界を見据えた今後の展望を聞いた。

世界を舞台に挑戦するも倒産

株式会社Braveridgeの前身は、代表取締役社長の吉田剛氏と技術担当の取締役小橋泰成氏がシンガポールで経営していた会社だ。そこで行った事業は、ゲーム機のコントローラー製造だった。ある時アメリカの展示会に出展した際に大手ゲームメーカーから声をかけられ、ゲームメーカーのブランド名でOEM製品を出さないかと話を持ちかけられた。その後、ゲーム機のコントローラー量産が決まり販売が始まった。しかし製品は不具合を起こし、市場回収となってしまう。それが原因でシンガポールの会社は倒産してしまった。

一難去ったその先は成功

「もう1回やるか」。吉田社長と小橋副社長は決意した。シンガポールの会社は倒産したが、その前に日本で設立した会社が残っていた。それがBraveridgeだ。二人は日本で一からやり直す事にした。当初は資金が30万円しかなかった。当時はUSBアダプターが出始めた頃で、2つUSBを挿す2ポートアダプターを中国で仕入れ、日本に輸入することにした。しかし起業したてで実績がなく、銀行からお金を借りる事ができず、商品の仕入れができなかった。その後、大手PCアクセサリー会社から2ポートUSBアダプターの製造を受注した。国民金融公庫から仕入資金の融資を得て、OEMブランドとして出すことになった。これが最初の仕事だ。それからは色々な事業者から自分たちの技術を活かせる仕事を請け負った。

海外の価格競争に負けない理由は国内工場を持つことにあった

「コストメリットは日本がいい」と吉田社長は語った。以前は中国で生産を行っていた。しかし設計者の中国への往来や生産効率化を考えると、国内に工場を持つことが一番であると気付く。Braveridgeでは単価を下げるために、さまざまな工夫を取り入れている。例えば一個5円の部品の単価を1円下げることはとても難しい。製造コストがおよそ1分間で約40円かかる場合、2分で1つの商品を作ると約80円かかる。そこで設計者が工場の現場を直接見て、製品にかかる時間や苦労を把握し、製造の条件や工程などを考慮して製品を組み立てやすく設計する。すると製造時間を1分間縮めることができ、コストも40円安くできる。しかし設計と組み立てが近くにないと実現は難しい。そのため国内に工場を持つことが必須になるのだ。これが国内工場を持つ同社が海外と価格競争できる理由だ。

仕事より大事な物それは...

Braveridgeでは、働き方改革で裁量労働制を導入している。労働時間の長さではなく、一人一人の能力で正当に成果を評価するようにしたのだ。自分の出退勤時間を調整できるので時間を作りやすくなり、家族サービスもしやすくなる。この裁量労働制を続けていくには利益を出さねばならない。「社員が家族のために、人間として生きていくために、利益を出す」と吉田社長は考えている。そして吉田社長は日本のモノづくりの生産力が、海外の生産力に競い合えるようにしたいと望んでいる。そのためにも、一人でも多くの技術者を求めている。

スクーパーEyes 社員のBraveridgeをよりよい組織にするための思いとは...

「世界を広く持つ」と語るのは、開発営業部企画営業課課長の角居裕史氏である。角居課長は、かつて東京でソフトウェアの仕事を行っていたが、福岡に戻ったときに昔同じ企業で働いていた吉田社長のBraveridgeに興味を持ち入社した。角居課長によると、同社には現在たくさんの課題があるそうだ。 例えば社内に共通のルールがないことだ。一方で「ルールがないからこそ、自分たちのやりたいことを自由にできる。そういう会社は珍しく、行動できる範囲が広いことが魅力である」と角居課長は語る。
「もう一度、中国の深圳のような技術力や生産力を福岡の地で実現したい」と吉田社長が日々口にする。吉田社長の「もっと会社を大きくしたい」という思いに、角居課長は全面的にバックアップしたい、と考える。そのためには「個人の反論する力」が一番大事だというのが角居課長の考えだ。個人の集合体である組織をもっと良くしていくには、一人一人が周囲の意見に対して、自分の意思に「躊躇しない力」を身に付けることが永遠の課題という。解決するためには、「今の会社の若い人が視野を広く持ち、強い組織作りをすることが大事」と角居課長は語る。そのために、会社では若い人との距離感が近く話しやすい環境を作り、吉田社長の思いに応えられる組織作りを目指している。

取材後記 一生懸命やれば知恵
中途半端にすれば愚痴
いい加減にすれば言い分けが出る

「どんなことでも経験しなさい」と吉田社長は語ります。それは、どんな事でも経験していればその人の経験値が上がるということです。吉田社長は「今の大学生はたくさん考えて行動してほしい。失敗しても修正して、また行動したらいい。そうでなければ社会に出たときに、指示待ちサラリーマンになってしまう」と話してくれました。この取材を通して私は、社会の仕組みや心構えを理解せず、狭い世界だけしか見ておらず人生の経験が少ないことを深く感じました。今後は、多くの社会人に話を聞いて世界を広く持ちたい。たくさんのことを考えて行動して自分のベースを広く持ち、社会でも役に立てる人になりたいです。そのためにも、吉田社長のように、いろんな経験値を得たいと思います。
(文責:福岡工業大学3年 小澤 拓真)

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