スクーパー取材記事

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【サガスト】株式会社ワイビーエム

メーカー建築・不動産 スクーパー取材記事あり
佐賀県唐津市原1534

2019年度

【サガスト】地下と水の技術明日の美しい地球環境づくりに貢献する。

機械製造業と聞いて皆さんはどんなイメージを思い浮かべるであうか。煙突から流れる黒い煙、排水溝から溢れる汚水をイメージする人はもはやいないだろう。 ワイビーエムはものづくりを通して美しい地球環境づくりに貢献している。

しなもんに魂ばこめろ

「しなもんに魂ばいれろ」 。しなもん、とは製品という意味である。ワイビーエムの従業員は 、全員がこの言葉を胸に刻み今日も世界中にその価値を提供している。 佐賀県唐津市に2つの工場を構える株式会社ワイビーエム。
昭和21年(1946年)に創業して以来その優れた技術力と開発力で数多くの機械を製造、販売している。 さらに1996年の創業50周年に「ワイビーエムは地下と水の技術で明日の美しい地球環境づくりに貢献します」という経営方針を掲げ、低騒音・小型軽量化・省人化・省力化・スピード化・コンピュータ化・そして安全を目指して研究開発を推進している。 独自の水処理技術を獲得したワイビーエムの製品は工事現場における排水処理、食品工場等排水設備の電力量削減から、有明海のような内海域の赤潮(貧酸素)対策まで対応できる。
そんなワイビーエムの明日の美しい地球環境づくりに貢献するための2本の柱が、ウルトラファインバブルの技術と、地中熱利用冷暖房システムである。

ヒントは失敗の中にあった

ワイビーエムが誇る水と地下の技術。そのなかで水の技術で環境への効果が期待されているのがUFB(ウルトラファインバブル)の技術である。UFBとは肉眼で確認できないほどの普段目にする気泡より遥かに小さい気泡であり、水中に長期間残存するという特徴がある。 ワイビーエムがウルトラファインバブルに目を付けたのには理由がある。 高圧ジェットグラウトポンプの開発を行っていた際にどうしてもポンプ内部の金属部分が破損してしまうということがあった。原因を調べてみると、先端部分付近でキャビテーションという現象が発生していた。キャビテーションとは圧力差によって気泡が発生し破裂する現象であり、そのエネルギーによって破損していた事が明らかになった。
この気づきからそれだけのエネルギーを他のことに活用できないかということでファインバブルの研究が始まった。 UFBは前述したような特徴から気体溶解効果や気体封入効果があるため、従来使用していた薬品や化学物質が不要になる可能性もあり、環境配慮面の効果も期待されている。

天然のエアコンがあるらしい

どこを探しても天然の家電など見つかるわけがないとおっしゃる方ばかりだろう。 しかし、常におよそ16℃を保ち続けている空間が現実に存在する。いや、空間と言うよりは地中なのだが、地中は夏は冷たく、冬は暖かく感じるのだ。その地中熱を空調へ利用する技術でワイビーエムは美しい地球環境づくりに貢献している。 地中熱利用冷暖房システムを利用することにより、従来の冷暖房に比べて電気代を30%削減できるだけでは無い。室外機を地中に入れるため、近年問題になっているヒートアイランド現象の抑制にも繋がる。ヒートアイランド現象とは、都市部の気温が郊外に比べ高くなる現象のことであり、都市部の多量な人工排熱等が原因である。 ワイビーエムでも既に工場や事務所の空調として利用されており、次世代のエアコンシステムとして注目を集めている。東京スカイツリーにも同様のシステムが用いられているそうだ。今後の更なる普及が期待できる。

明日の地球のために

ワイビーエムの環境に対する取り組みの2本の柱は次世代のエアコンシステムとファインバブルの活用であるが、他にも取り組んでいることがある。それが、地熱発電所の生産井のメンテナンスだ。九州電力八丁原発電所と鹿児島山川発電所の2箇所のメンテナンスを行っている。地熱発電のために地中に2000メートル程の穴があり、それを生産井と呼ぶのだがそのメンテナンスをワイビーエムが担っている。
そもそも地熱発電所は、地下水がマグマであっためられ、水蒸気溜りが出来ている空間の上に発電所がつくられる。水蒸気が循環するのだが、どうしても経年により井戸の周りに不純物が付着するなどする。その対処として井戸を掘り直したり、削ったり、途中で軌道を変更して掘り直すということをする。地熱発電のデメリットとして、前述したような水蒸気溜りが国定公園の下にあるということが多く、出力があまりないということがある。八丁原発電所の発電量は5万5千kWで一般的な原子力発電所の発電量は100万kWであり、約20倍と大きな差がある。エネルギー問題は世界共通の問題でありその解決はまさに明日の美しい地球環境づくりと言えるだろう。

スクーパーEyes ものづくりの魅力に迫る

取材に応じてくださった論手直樹さん、川添龍仁さんに、ものづくりの魅力を語っていただいた。御二方が口を揃えたものづくりの魅力が、「自分たちで考えたものが形になり活躍する」と言う点だった。ワイビーエムがつくった機械は私たちが普段使っているものに深く関わっている。そのひとつが有明海沿岸道路だ。地盤関連の機械にワイビーエムのものが使われているのだ。川添さんは車を運転している際に自社の機械を見つけ、「お、今日も頑張っとるね」と思ったそうだ。工場見学も川添さんが案内して下さったのだが、その際にも非常に楽しそうにものづくりの魅力を語って下さった。原寸大のプラモデルをつくるような感じだそうだ。小学生の頃の私に通じるものがある。あの頃の私はレゴブロックに夢中で、船や車、飛行機などが完成しそれを実際に(手で掴んでだが)動かしている時が何よりも好きだった。ものをつくるということには確かに変え難い魅力があるようだ。株式会社ワイビーエムはこれからも大手には出来ない作り方で、お客様の満足と信頼にお応えするため、創業の精神を守り続けもの造りに邁進していく。

取材後記 学びを得る

私は「サガスト!」を、通して「見えないところに目を向ける」という考え方を学んだ。 これまで私は物事について表面程度にしか目を向けていなかった。本が好きでよく買うのだが、今までは著者や出版社にしか注目していなかった。しかし、今回の企画を終えて始めてそれ以外の関わった人にも意識が向くようになった。小説の編集者、印刷機をつくった人、書店の販売員などがそうだ。日常には自分の知らないことで溢れかえっているのだと、初めてはっきりと認識した。今後は普段から使っているものについても考えを巡らせてより広く深い学びを得ていきたい。
(文責:佐賀大学2年 髙橋直喜)

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